みずたまのうそばかにっき

うそっぽいほんとや ほんとっぽいうそを かきとめる

なつのおわりっぽい きょう

じっかをでて すうねんたった あるなつのひ。

わたしは、かぞくと じっかからは すこしはなれた となりまちのスーパーにいた。

スーパーのなかにある ははと こ をメインターゲットにしたのが バレバレのまちがっても 司馬遼太郎なんかは おいていない ほんやで たちよみをしていると、あんのじょう あいつがやってきた。

あいつがきたら、わたしは、すうふんかん、あいつと たいわをする。

 きたのか?

  ・・・。

 へんじが ものたりないな。むしむし。

  ・・・。・・・。・・・。やぁ。

 きょうのちょうしは どうだ?

  いいとおもいます。

ところが、あいつが おだやかであるのは ほんのすうふん。

そこからのあいつときたら、わたしのことを ほんろうしてばかりだ。

 おい!もうやめてくれ!

  なにいってんだよ。もうおわりだぜ。

 ま、まってくれ!いま、いいところなんだっ

  おいおい、おれも ずいぶん あまくみられたもんだな。

  まぁ、まってやってもいいぜ。

 お、ありがとう。あと、すこしだけな。

  はいはい。いいだろう。

  いーち、にー、さーん・・・・・・しごろくななはちくじゅーっっ!

 ちょ、ちょ、ちょっと。やめてくれたまえっ!

  ははは。びっくりしたか?

これは、だめだとおもった。いつものことながら、まったくもって ふゆかいだ。

はやく、はやく、はやく!

わたしは、そっとやさしく たちよみしていた ざっしをおき、いちもくさんに べんじょへかけこんだ。

すっきりしたきぶんで トイレからでたところで、なんと しょうがくせいのころのどうきゅうせいのユキにでくわした。

げんみつにいえば、ようちえん から ちゅうがく まで いっしょだったけど、よくあそんでいたのは、しょうがくせいのころ だった。

スポーツしょうじょの ユキは、スポーティなおねえさんに なっていた。

 ひさしぶり!

スポーティなひとの こざっぱりした イキのいい あいさつ。

わたしは、なんだか とても はずかしくなり、どうようしてしまった。

そのため、ひさしぶり とか げんきだった? とか かわらないねー などという ていれいのあいさつを すっかり わすれてしまった。

そして、なにをおもったか、いま、じぶんがトイレにいって なにをしてきたのか とか トイレにいくまでのすうふんかんの あいつとの やりとり とか そういったことを やばいことを かくしている あやしいひと のように きかんじゅうのように しゃべりたおしてしまった。

そして、

 どうして、たちよみしていると、あいつがくるんだろうねー?

と、ぎもんけいで はなしをおえてしまった。

それをきいて、ユキは、おどろくようすもなく、

 あいかわらず、うんこのはなし すきだね~

と、いいはなったのだった。

そして、またあいたいね とか いま、なにしてるん? とか おきまりのことばもなく、こざっぱりと たちさってしまったのだった。

わたしは、きょーれつな じせいモードになり、そのばに こおりついていた。

なんで、ひさしぶりにあった おさななじみに いきなり こんなはなしを してしまったのだろうか。

たちよみしていて、あいつがやってくることは、ふつうじゃなかったのかもしれない。

かのじょは、わたしの せいちょうしていない のうみそに にどと かかわりたくない きぶんに なってしまったのかもしれない。

だからこそ、あのように、こざっぱりと たちさってしまったのだ。

もんもんと じこはんせいしていた。

すると、はいごから ちちがあらわれ、

 おねえちゃんのはなしは ようりょうが つかめないね。

と、いった。

どうやら、ちかくのベンチにすわって、やりとりをみていたようなのだ。

そうかんがえると、ユキもまた、ようりょうがつかめなかったのか。

はなしのないようが、わからなかったのかも しれない。

それならば、よかった。ようりょうのえない はなしかた ばんざい!

そうおもったのも つかのま。

 で、けっきょく、うんこは でた?

 ふつう、たちよみしたって、うんこはでない。

 けっかをはなさないから、ユキちゃんも よくわからなかったとおもうよ。

それは、ふつうに、ぜんぶ りかいしているではないですか、おとうさん。

ユキは、けっかをはなさないから、ではなく、そのないように ひいたのだとおもうが、ちちは、わたしの はなしべたに ひとしきり だめだしした。

あるなつのひを おもいだした なつのおわり。